快晴の木曽駒ケ岳へ快適雪山登山にいこう

2019年1月27日(日)
1月のうちに1度くらい冬山っぽい雪山に行こうぜ、というやつで、日帰りで雪山に行く。
がっつり夜中に出なくても向かいやすい、快適登山の定番木曽駒へ。



朝5時ジャスト、海抜-2mの地下鉄駅から始発電車に乗り、笹塚駅へ。駅を降りたらすごく寒い朝だったので今日一日が不安になったけど、結局体感一番寒く感じたのはこの笹塚駅、そんな天気のいい一日だった。

笹塚からめん君号で中央道へ。冬だからか、日曜日の早朝だからかクルマは空いた高速道路を3,000mの景色へ向かっていく。

今年はずっと天気がいい。雨も雪も降らないからカラッカラだけど、今日快晴なのは嬉しい。
澄んだ空気で迫り来る南アルプスも雪が少ないように見える。北岳は真っ白だけど、鳳凰には雪が無い。甲斐駒が白いのは雪なのか普通に白いのかよくわからない。



木曽駒ケ岳は東京からの実直線距離では北アルプスまで行けちゃう遠さだというのはあるものの、交通要所からのアクセスの良さはまるでテーマパークのようだ。駒ヶ根インターを降りたら目の前に木曽駒。バス停の駐車場までの間に立ち寄るコンビニすらない。

西に中央アルプス、東に南アルプス。駒ヶ根の街は景色がすごい。ソースカツ丼しかないなんてとんでもない。



さすがは冬山登山の入門口にしてメッカ。菅の台バスセンターはすでに順番待ちのハイカーでいっぱいでした。ロープウェイセット券を購入して待つ。
8時15分の始発バスには乗れなかったけど、臨時バスが増便されていて30分くらいでバスに乗れた。



バスに揺られること30分、晴天のロープウェイしらび平駅に着いた。こちらも1本待ったけど、10時15分に無事搭乗。そこそこ幸先の良いスタートなんじゃないかな。



「日本で一番高いロープウェイ」来た。2,600m以上まで一気に登る。つまり登山のほとんどはロープウェイで登ってしまうのだ。すごいな木曽駒ケ岳。

ロープウェイに乗ったら、10分程度であっという間に天上の世界である。スーパー贅沢エンターテイメント登山だ。



「日本最高所のロープウェイ」

高いところに行くとこの言い回しはとても多い。「日本最高所の車道とバス停」「日本最高地点の自動車通行可能な峠」「国道日本最高地点」ほかにもいろいろなものがあり、飲食店において「元祖」「本家」「正統」とかが争うのに近い雰囲気を少し感じるが日本最高所のロープウェイ駅なのは事実のようだ。ちなみに先に挙げた3つの地点はどれも大好きだ。

気温は-7℃。天気予報では3,000m付近-20℃近くて寒そうだったけど、そうでもない。快適登山の予感。



これはアイゼンです。ただし怪しい。

快適登山の一日で唯一若干の不安要素である。
先に書いておくと、まったくオススメしないのですが、一言で言うとパチモノであります。と言ってもパチモノだと思って買ったわけではない。
元々はガチ登山のつもりじゃなくて軽い雪山遊びくらいのつもりで買ったものでございまして、Yahooショッピングの山とは何の関係も無さそうな雑貨店で購入した格安アイゼンなのだが、着いてみてびっくり、箱にはペツル バサックと書いてある。そしてこれはペツルではない。
従って、俺はこれをパチルと呼んでいるのだが、褒められたものではないのです。
今日は行動時間も短いし、軽くテストして持ってきた。

ともあれ、装備を整えてさあ外に出てみよう。



オー良いぇ-、すげー。

だだっ広い、真っ白な千畳敷カールが目の前にあり、空は紺色を塗り固めたように青い。抜けるようなというより、底抜けの宇宙があります。青い空、青い空。あおいそらと言われて何を思い浮かべますか。俺はくるりの「図鑑」が大好きだ。

稜線に向かってたくさんの人影が向かって行くのが見えるよ。伝記モノの映画みたいだ。
左手にはかっこいい宝剣岳がそびえているぞ。
ここまで交通機関で来れるってすごいな、そりゃ夏は大変だよなあ。



千畳敷ホテルの裏手から一旦下って登山スタート。今日は3時間半程度の行程なので、余裕を持って歩くです。南アルプスを北から南まで一望できてサイコーだな。



うーん、気持ちいい。真っ白なふかふかの雪と、空と、岩。これは上がる風景だ。
多くの人がゆっくりと登っていく列に並ぶ。初心者向けとはいえど、3,000m近い冬の山である。山際は雪崩のメッカなので入らないように、と注意書きがたくさん。

人が歩いているルートはトレースが踏み固められていてまったく不安がない。快適。

 


宝剣、コンパクトだけど威風堂々としてえらいかっこいいピークだ。夏来た時登ろうと思う。

と思ってたら、アルパインな方々が数名まっすぐにあちらを登っていくのも見える。すごいなー。



登っても、振り返っても絶景。



夏はジグザグの登山道だけれど、冬は一面雪の上。直登なのでだんだんと結構な傾斜になっていく。道はしっかりしているので難しい場所は一箇所も無い。気を抜かなければ大丈夫。



「八丁坂」を登る。この日唯一にして一番の急坂だ。高くて大きい山は楽しいね、非現実感がある。



稜線が近づいてくるに従って、吹き下ろしの風が出てきて急にぐっと気温が下がる。振り下ろす雪が痛い痛い!このへんでバラクラバも上げて完全武装なんだけど、体が暖まってきて暑いくらい。



あっという間に稜線は目の前。



振り返ると、結構な急坂っすね。小さな子連れの家族パーティーが登ってくる。
場所柄なのか、家族、カップル、夫婦、夫婦、夫婦、仲良し夫婦、ラブラブ夫婦、「大丈夫か!?もう少しだよ」とか言っちゃう若い夫婦、山ガールっていうか山夫婦がめちゃくちゃ多い気がする。最近ちょくちょく里山を歩いていたから別世界感がある。つーか、どういう人生を歩めばそんなことになるのか。異世界転生すればいいのか。

と議論しながら登る。そして景色の雄大さがまた我々の悩みがちっぽけだと気づかせるのである。



上がった!!ウヒョー!!めっちゃ広い!!



乗越浄土。

360度視界が開けて記念撮影スポットである。が、稜線に出たらなかなか強風で急に寒くなった。まだまだ美味しい景色はたくさんあるからどんどん進もう。



と思ったら停止。
これは何をやっているかと言うと、パチルの調整と締め直しをしている。

使えないことは無いけど、そのままでバッチリっていうこともない、詳細は省くが要工夫と改善。
冬山ではギアの不具合は危険に関わるのでDIY好きじゃない人はちゃんとしたのを買いましょう。
あと、宝剣かっこいいな。



乗越浄土には宝剣山荘(写真に写っているのは隣の天狗荘)があり、気づかなかったんだけど写真見たら営業もしてたみたい。至れり尽くせりだ。



宝剣岳の先に伸びる三ノ沢岳。あれもかっこいい山容である。



ここからは木曽駒ケ岳の山頂は見えなくて、次に向かうのは目の前の中岳。標高的にはもう既に山頂間際で、あとは本当に緩やかな天上ハイキングですよ。



巨大エビのしっぽ。



右手から振り返れば、伊那前岳、その向こうに甲斐駒、仙丈、北岳、間ノ岳。

今日は行かないけど、余裕があれば伊那前岳にも寄りたい。遠景は変わらないにしても伊那市街がよく見えるのだとか。



中岳を超えると、あとは目の前の木曽駒ケ岳山頂を目指すだけ。
雪原のような広い山頂だけど、実際には山頂手前そこそこ登る。きついってほどじゃないけれど。



12時50分、山頂到着。神社があります。
写真には写っていないけど、人は結構たくさんいて賑わっている。でも、それが気にならないくらい広くてよい。



目の前に、御嶽山がどどーんと。



反対を振り返れば、南アルプスの向こうに富士山。



乗鞍から奥穂高。槍は雲がかかってたけど、よく見えた。いい景色だ。
15分くらい、写真を撮りながらぐるぐると地球を眺める。山はいいなあ(語彙

 


気温-11℃。結局、それほど寒くなかった。太陽は暖かい。



とは言え止まると寒いので、14時台のロープウェイを目指して下山する。帰り道も美しい岩肌で飽きないね。中央アルプス、空木岳の方へも行ったことないので足を伸ばしてみたい。



中央アルプスです



西日の宝剣です。かっこいい。



まだ日は高いけれど、午後になるとカッチカチになってくるの図。なるほど夜はガッチガチなんだろうなあ。テントを張って一晩過ごす人もちらほらいたけれど、夜はきっと別世界。



八丁坂を下る。登りが急だったから、当然下りも急である。
人が多くてステップがあるから怖さはそれほどないけど、落ちたらなかなか止まらなそう。ズボズボと注意して進む。

うんせうんせと下っていたら、あぁあーとめん氏がゴロゴロと転がっていた。滑落停止訓練なのか狙っているのかマジなのかはわからぬが滑るとたいへんということがわかった。



冬山の午後は早い。次々と人が降りてくるが、写真の最後尾がだいたい本当に最後尾近辺だろう。

朝しっかりとトレースが付いていたのに、吹き晒す風でもう道が消えかけている。コツコツ降りる人、道を外れて尻セードで遊ぶ人、写真を撮る人。



見上げると、朝とはまた違う風景が広がっていた。
吹き上げる風と舞い上がる雪。山はすごい(語彙



降りた。カールの底で風が穏やかだからというのもあるけど、急に体感温度がぐっと上がる。



最後の登り返しを登って、千畳敷駅到着。
あっという間だったけど、最高に贅沢な登山だった。

人はたくさんいたけれど、14:55のロープウェイにドンピシャで乗車。接続するバスにもドンピシャで乗れた。至れり尽くせり登山だ。さあ帰ろう。



バス停のすぐそばある「こまくさの湯」に寄っていく。本当はヤマハのビーノで来るべき。

露天風呂からはついさっきまでいた木曽駒と千畳敷カールがよく見える。





食堂でミニソースカツ丼セット、風呂とセットで1,020円。
さらにかき揚げそばも追加。腹減ったんだよ。



駐車場から見上げたら、千畳敷ホテルの明かりが見えた。
すごいな木曽駒、山が近い。お金は掛かるけど。

駐車場を出たらすぐインター、この日はまったく渋滞もせず20時台にはまた笹塚駅へ。
アクセス至便で本格的な雪山を楽しんで贅沢満喫な一日だった。
次はどこに登ろうか。

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