すると今度は何もないというのが怖いもので、何もない部屋に座っているとまるで全てを失ったような喪失感(錯覚)やら、虚無やらに襲われるので油断ならないなあと思った。
そんなときにふと顔を上げてみると、やっぱり目の前には自転車があるし、そう言えば子供の頃からこういうとき何をしようかと考えるとだいたい自転車に乗るよなあ、ていうことを思い出した。こうやって俺は何度も自転車に救われてきたし、きっとこれからもそうなんだと思う。
振り返ると(毎日の通勤や移動を除いて)最後に自転車にゆっくり乗ったのは年も超えて昨年末に江戸川をお城まで走ったときだし、山に登ったのはその数日後丹沢に登ったのと、初詣に三峰神社に行ったときだった。
いいかげん、心のセラピーがどうのとかいう以前に運動しないと体力がヤバイし、体も動かしたいのでサクッとちょっとだけ乗ろうと思い立ったのが日曜日のお昼過ぎ。こんなとき、この東京23区最西部の街からはどこに行くのがいいんだろうか?ということを脳内の地図を広げて考えてみる。
・荒川出る:環八登るのがちょっとだるいのとこの時間からだとイマイチ
・多摩川登る:この時間だと遅すぎる
・尾根幹:気が乗らない
とかいうダメダメ脳になってしまい、やはり脚と一緒に脳もリハビリせなあかんなとか思った。東京の東側に居たときは居たときで、やれ坂が遠いなとか山に行きたいなとかブーブー言っていたのだけれど、気が乗らないときにも思い立ってパッと荒川江戸川や快適な路肩のある湾岸エリアを走れたのは相当にメリットだったらしい。記録を見たら去年は年に12回ほど江戸川のお城まで走っていた。住宅街に住んでいても江戸サイ的な使い方ができる道があれば良いのだけど。
とか言っていても仕方がないし、そう言えば東にいたときはほとんど多摩湖とか行ったこと無かったなと思い、多摩湖方面に向かうことにした。
自宅周辺の地図を見ると、井の頭通りを下って多摩湖自転車道の起点までわりとすぐだということに気づいたので、のんびりだらだらこれをポタることにする。走ったこと無いけどロードで走るような道ではないということは知っていたしガシガシ走れるわけじゃないだろうけど、なまり切った脚と日曜午後の散歩にはちょうどいいかもしれない。
なお自転車道となっているけれど、実際は西武線沿線の人々のお散歩道であり、たくさんの人がのんびり歩いているので自転車で飛ばすような道では無い。15kmくらいでのーんびり走る。でも、それが今の自分にはちょうどいい気がした。
東急小田急文化圏育ちの自分にとって同じ東京と言えど西武沿線は完全アウェイなのだけれど、花小金井やら小平やらの駅と黄色い電車を眺めながら散歩感覚で走るのは新鮮で良い。そんなことを考えていたらあっという間に多摩湖に着いた。
天気が悪くて干した布団が心配だったので、帰りも行きに来た道を引き返して日が暮れる前に帰った。
往復50kmちょうど、3時間。
こんな週末も悪くない。
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