
最近、「町中華」という言葉がよく使われているが、なんていうかバズワード的な消費感があってあまり好きじゃないのだけれど、言わんとしていることはよく伝わるので便利な言葉だなあとも思う。このお店みたいなものを町中華と言うのかもしれないけれど、土地の人からすればそんなジャンルを括る前から生活の一部にあるわけだし……
ネットで見たらチャーハンにふわふわの卵を乗せた写真がたくさん出てきて、それはとても美味しそうで美味しそうでたまらなかったので仕事帰りに立ち寄って正しくミーハーらしくそのチャーハンを注文した。

初見の人はこれを頼む人が多いらしいけど、周りを見ると馴染みの人は普通の定食を食べているようだ。こういう中華の店でよく見る光景だなあと思う。
つい最近まで、東京の反対側でやはり「名の知れた町中華」的な店が比較的多い下町に住んでいたので、休日にわざわざ食べ歩きに来た人がSNSに感想とともに写真を投稿するのを見て、自分の街の日常がそうやって新鮮なものとして表現されること自体に新鮮な気持ちを感じていたのだけれど、初めて来て人気メニューを頼んでいる自分がまさにその状態だなあ、とか思った。
隣の席に座った30代くらいのサラリーマン2人組がニッコニコしながらこの店の良さを語っていたのだけど、話題が東京東部の話になったらしく
「でも、東京のあっち側のほうでも人形町とか行くといい感じの中華とか定食屋たくさんありますよ」
「人形町ってどこでしたっけ??」
「日本橋のほうですよ、下町というには都会だけど、いい感じの古い街ですよ」
なんて話しているのを聞いていた。そうだよね、こっちの街から見ると、人形町はあっち側なのである。わかるよ、最高だよ人形町。
ほうれん草チャーハン(らんらん乗せ)はしっかり味のついたしっとりパラパラチャーハンに、豚バラもうまいし、たくさん乗っている卵も期待を裏切らず美味しかったです。
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