秋の鳳凰三山へ(その2)

前の日からの続き。

いい感じで熱燗を空けて19時にはシュラフに潜り込んだら、数日寝不足だったせいもあって一瞬で眠ってしまったけど、思った以上に寒くて0時ころ頃目を覚ました。

もう11月なんだから当然っちゃ当然なんだけど、氷点下だ。大した防寒装備していないので寒い。シュラフから出るのが面倒だったので、ダウンの上にレインウェアを着込んだ。シュラフのアタマを口だけ出るくらい絞ったら少し落ち着いたので、安心して眠ることにした。




次にぼんやりと周囲に気付いたのはたぶん3時くらいだった。
テントの外では早起ちの人たちが出て行く音がする。ご来光組だろう。
俺らはご来光は見送ってゆっくり朝メシ食って6時位に出るつもりだから、もうちょっとだらだらして過ごそう。




目が覚めた。

シュラフ凍ってるし。-5℃くらいまでは下がってそう。

良く寝た。時計を見るとうーんと、

5時47分wwwww\(^o^)/

寝すぎワロタ。山での早起きとは、優雅な朝食とは何かを問われる。
これがヒマラヤ遠征隊なら命に関わり山屋としての矜持を問われる失態であろう。
が、ここはヒマラヤではなく山梨での快適登山であり、寝坊したものは仕方ない。

この週平均睡眠4時間を切っていたモーレツサラリーマンな俺、賞味11時間近く爆睡して寝溜め(南アルプスにて)。

なお前日の行動時間は6時間。一体何をしに来たのか考えさせられる事態である。


テントを開けたらもう日が登る時間だよ。
気を取り直して準備しよう。

テント凍ってた。まだ雪が降っておらず暖かいと言われていたが、夜はそれなりに寒かった。今使っているスポーツデポで特売なサウスフィールド印のシュラフではこれ以降の季節のテント泊は厳しそうだ。あと5度気温が下がったら確実に冬装備が必要だろう。

明け方の月。今日は良い天気になりそうだ。

さあ、遅くなってしまったので急いで準備しよう……
フライの下に置いといたなべがわりとガチで凍ってた。

とりあえず溶かすか。

日が昇った。良い天気だ!
※この時点でまだテント張りっぱなしである。

朝日を浴びる山肌が美しい。
※とポエムをつぶやいている時点で既に7時前である。少しは急ぐべき。

朝食は行動食にして、さあ急ぐか……
……とか言いつつ、やっぱり朝メシはがっつり食うヽ(*゚∀゚)ノ もはや急ぐ気ゼロである。

メニューはマルタイ+中華丼ラーメンだ。
無計画に買い物してきたので、炭水化物率が高く、スープもスンドゥブが2パックだったりとバランスが非常に悪い。

この日は地蔵からさんざん縦走して降りるコースだ。まあ、ゆっくり歩いても夕方までに降りられればいいということにしよう。

やっと畳んで支度した。立派な水場があって、沢沿いのルートは快適だなあと思う。

さあ、行こう。

登山道の入り口を見上げると、絵の具で塗ったような青い空が見えた。

この時、既に8時を回っていたけど、まあいいさ。
次からは早い行動を心がけましょうね。

地蔵岳山頂までは1km、40分もあれば着くだろう。

ここから先はダケカンバの森をくり抜いたような高山らしい、アルプスらしい山道。

わくわくゴキゲンなルートだな。気持ちいい朝だよ。

荷物は重いけどな。
昨日は右足が水没した相棒、ピカピカのブーツ(ただし水没)で快適に登る(ただし右足凍ってたけど)。

ほどなくして、木々の間に岩稜のピークが見えた。

ウヒョー、かっこいいぜ。

白い岩肌と青い空が映える。
距離が10kmもないのに、これだけ色々な景色が眺められるのはお得だと思う。

左手が開け、川原か?またまたスキー場か?という白い地肌が見えてきた。
明らかに雰囲気が変わってテンション上がる。

うわーなんだこりゃー!すごいなー!

白い砂の上に立つ高山の木々。異次元感ハンパないです。

頂上見えてきた。

登る。

オベリスクだ!

うーん、面白い頂上だな、地蔵岳。

ちなみに淡々と書いているが、素晴らしい天気と相まってこの時は結構感動している。こんなアクセスの良い山にこんな独特な風景があるなんて。

ただでさえ遅いのにウヒョーとか言いながら写真を撮りまくっているので全然前に進まない(同じような写真が10枚ずつくらいある)。

結果、後日これを書く手も全然進まない。
以降、この記事は写真だけでごり押す写真ブログとなります。

オベリスクと雲。

左手には鳳凰三山の最高峰、観音岳。と太陽と、青空と、無数の飛行機雲。

シャリ、シャリ、シャリと砂の坂道を上がっていく。だんだんと木々が少なくなり、砂だけの坂道に変わっていく。

ちなみに、結構な斜度です。

木々もいい感じなんじゃー。

10分ほど砂の坂を登ると、ようやくピーク下に出た。

木々の限界を超えて振り返ると、雲の上だった。

八ヶ岳から奥秩父まできれいに見える。

観音岳の裏手に日本一のアイツが見えてきた。
ここは南アルプスの前衛峰、距離が近い。後で観音岳に登ると目の前に見えてくるだろう。

登る。

登る。

そして着いた。天上の川原だ。

山頂とオブジェ。空が青すぎる。

賽の河原に出た。

かつての登山家が「賽の河原」と名付けたのが当たり前すぎるくらい、賽の河原感ある。賽の河原っていうのはきっとこういう感じだろう。あの世に行ったことないからわからんけど。

たくさんのお地蔵様。
聞くところによると、子ができない親が1対持ち帰り、子が生まれたら2体お返しするそうな。

意外と新しくて綺麗なお地蔵様が多く、意外と怖さや寂しさのようなものは感じない。

後手には堂々とそびえる甲斐駒ケ岳。

オベリスク、賽の河原。ほぼ快晴。

絶対に霊がいる。

甲府の盆地を見下ろす仏仏。

穏やかな空間です。

オベリスクの方を見ると、何人か岩に取り付いている人が見える。
さあ、行ってみよう。

この日は空気も澄んでいて、北西を見ると甲斐駒の向こうに北アルプスが良く見えた。槍、穂高から乗鞍まで。3,000m峰は雪が掛かって白い。

大きな岩の塊だけど、取り付きやすく頂上の直下までは簡単に登ることができる。登山者も多く、踏み跡も刻まれている。

オベリスクの頂上には2つの大きな岩の塊があって、その周囲の肩の部分までは5分もあれば上がることができた。そこまではアスレチックみたいで楽しい。

肩に登ると北の視界が開けた。
小淵沢方面から見る赤岳だ。赤岳って、赤いな(小並感)。

岩の裏手に埋められていた、ホーオ三山の標識。
1961年とある。

オベリスクの肩の段は狭いけどぐるっと一周歩くことができる。

北東には金峰山、国師ヶ岳が見える。
なんとなく、遠景も秋の色だ。空気には色があるのだ。

なんとかオベリスクの頂上に上がってみたいと思い取り付きを探すけど、なかなか見つからない。これは裏側。あと10mくらいなんだけどなー。

一周回ってきたら、反対から来ためん君と合流した。

この場所からは富士山が綺麗だった。

※と、しれっとそれっぽい写真を貼っているが、実態は「しれっとこういう角度のこういう写真があるとかっこいいと思うんだよ、角度はこうだよ」とか言いながら20ショットくらい撮り直しているナルシストおっさん2名である。

オベリスクと俺。

※という写真を撮るためにローアングルを調整すること数分。

俺はバカの例に漏れず高いところが好きなバカであるゆえ、
先に降りためん氏を待たせて諦め悪くもう一度ピークに取り付く。よく見ると、登り口側に取り付ける石が見つかった。

シャンクの入った革の登山靴で登るのもなあ、っていう気がしたっていうか、クライミングやる人達が履いているクライミングシューズがあればいいなあ、とは思った

(この数分で靴の先がキズだらけになった。勲章だと思うことにする)。

三点支持で最後の岩の直下までは来れたけど、ふと足元を振り返ってみたらめっちゃKOEEEEEEだった。落ちたら相当痛いぞ!

どうにかこうにか、ここまでは来た。
よーく見たら、頂上から降りるロープと鎖を発見。
でも、ボロボロでおっかない。あれで登れるのかなー。

クライミング素人で腕力も無い俺はここが限界でした。。危ないので登るのを諦めて終了ー。
ちょっぴり悔しいけど、技術を身につけてまたいつか来よう!

オベリスクを降りて、大きな甲斐駒と優しげに下界を見守る地蔵に別れを告げて鳳凰三山稜線の縦走へ。

ここからが稜線歩きの醍醐味だ。

地蔵岳には、広河原方面の登山道に繋がるもう一つのピークがある(アカヌケ沢の頭と言うらしい)。そこまで、ハイマツの中をちょっとだけ登り返し。

地蔵岳が気に入りました。振り返ってハイマツの向うに1枚。

前日の道中でも思ったけど、南アルプスは「日本の」っていうイメージが似合う。甲斐駒と地蔵岳が霊山として祀られているせいもあるか、いや逆だろう、こういう山だから信仰の対象になるんだろうな。面白いな、山って。

北アルプスのソリッドで突き抜けたアルペン感もいいけど、南アルプスのこの雰囲気もまたいいな。

ここがアカヌケ沢の頭。三叉路の標識がある。天気が悪い時は間違えやすそう。

シャクナゲ。ここまで見かけなかったけど、稜線近くで群生している。ハクサンシャクナゲってやつかな?

2,800mに咲く花。

ピークを超えると、目の前の観音岳と、南アルプス西南方の視界が開けた。

実に神秘的でグッドルッキングでフォトジェニックだ。

岩と砂の山を後にする。

ここから先はずっと、右手の西を見るとすぐ目の前に大きな大きな白峰三山。

登った時も感じたけれど、北岳の山容の大きさって格別だと思う。雄大。かっこいい。山々しい。ザ・山。

間ノ岳、農鳥岳への稜線も素敵。6月に蝶ヶ岳から見た穂高連峰の鋭鋒な風景ももちろん素晴らしいけれど、白峰も「山塊」という雰囲気があって良いです。

北岳もまだ雪景色では無い。

一昨年、あの大樺沢の雪渓を下から上までヒイコラ登ったんだけど、こうしてみるとなかなかに急登だな!

右手に南アルプス、左手にゆっくり流れる東京方面の風景を眺めながら、穏やかな稜線歩きが始まる。目の前の観音岳に取り付く前に、一旦下るぞ。

鞍部。白い砂と岩を超えて、この日の最高地点へ。

なんとその3へ続く(1泊2日なのに)。

 

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