ある友人の話

人生音楽沼な友人のライブに久々に行ってきた。


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彼は最近はあまり9時5時な場所で自分のことを話さないようなのでネットで書くのも迷うが、彼は出会う前からoscillatorというユニットをやっていて、人間性には若干問題があるものの、音楽については以前から本当にすごい男だ。

※ちなみに、ユニットなんていう書き方をするのは、デスクの上の得物が数台のThinkpad(Macではない、あくまでThinkpad)と、得体のしれないミキサー群と、謎のノイズを発するテルミンのような自作機械たちで、これをバンドっていうのかどうかよくわからないからだ。
#綺麗な女性ボーカルさんもいますよ。

彼は新卒で社会人になったときの同期で、今も昼間は通信会社の本社でNW機器の研究開発をやっている。人間性には少々問題があるが、とても優秀な技術者だ。

だがその実態は、万を超すCDと山のような機材で家の床が抜けるんじゃないかというレベルでサンレコマガジンに機材関連の連載を持っていたりする最重度の音ヲタであり、音響カルチャーまっしぐらに道を進むほどにリアルが充実方面の素敵世界とは軋轢が生じ、元々人間性に問題があることもありより孤高の紳士となっているミュージシャンである。

彼が作る音楽はシカゴ音響系ポストロックや竹村延和のようなエレクトロニカに、80年台ポップスやよくわからんノイズが混ざり、ミニマルでマニアックなのにキャッチーなメロディーがあり、不思議な世界を感じさせる。素人目に見ても音楽についての才能やセンスは相当すごいものがあると思うし、正直、プロミュージシャンのそれと比べても劣る点がわからないレベルだと感じる。ちょっと人間性には問題があるけれども。

彼らのライブを観るのは確か3年ぶりくらいだけれども、ほとんどが新曲で、相変わらず美しくてとても良かった。上記のようなジャンルが好きな人ならば、初見でも気にせず普通に楽しんでCD買っちゃったりすると思う。
あと、おっさんになってもきちんと進化を続けていて素晴らしいなあと思った。

CDは普通にAmazonでもタワレコでも買えるので、お好きな方はレビュー見るだけでもぜひどうぞ。なにげにROVOの益子樹さんがミックスやってたりして結構すごいので、彼が仲の良いでもちょっと人間性に問題のある友人であることとか抜きにして普通にオススメできます。

▼HEADZレーベルから出ている2009年のアルバム
http://tower.jp/item/2608392/夜音

今日のライブで新曲を聴いたら、相変わらずマニアックだけど懐かしいポップスの匂いもして、そのメロディアス加減が逆に彼も大人になったなあ、なんて気がした。といっても3つ年上なんだけども。それは悪い意味じゃなくて、アバンギャルドなノイズ方向に尖っていくところを抜けて、本当に素直に原風景的に好きなことをやろうっていう肩の力が抜けた感をなんとなく感じたから。まあ、たぶん変わらず人間性的には問題があるんだと思うけどね。

ポップだねと感想を言ったら、ああ、最近はアイドルやYSTKだって結構凝った音載せてきますからねえ、あまちゃんだって。時流に合わせてみましたよ。なんて、本当と謙遜と皮肉が混じったようなことを言ってたけど、たぶん時流についての感想が本当であることはともかくとして、きっと俺なんかにはわからないような難しいことを色々実験した結果なのだろう。どちらかと言うと彼なりの照れ隠しなんだろうなあ、と思った。このシャイボーイめ。
ポップな曲調があったり、ダブステップっぽい打ち込みが加わっていても生楽器があるわけじゃないのにアコースティックな手触りもなくしていないのは素人目に素直にすごいなあと思った。

俺は自分がクリエイティブの手段が乏しいこともあって極度の「表現コンプレックス」であることを自覚していて、そのせいもあるんだけど、それが飯の種であろうとプライベートであろうと、表現する手段を持っていることや、そのために努力できる才能があることを本当に素晴らしく、ちょっと羨ましく感じる。
人間性には問題があるけれども、どちらかというとお堅い大企業に就職して、その中で彼のような変態に出会えたことを正直誇りに思うよ。

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▼oscillatorのサイトはこちら

http://www.clayrec.com/


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