秋の鳳凰三山へ(その3)

その2からの続き。

観音岳への登り返しを登る。この日最後のわずかな登り、コースタイムは1時間。

引き続きの白い砂だけど、北面は少しだけ表情が違う、気がする。

空を見上げると無数の飛行機雲。

このあたりはちょうど飛行機のコースになるんだと思う。次から次へと白い線が描かれていく。

人工物だけど、悪い気はしない。

3,000m近くの高さまで登ってきたのに、それよりも何倍も高くを飛んでるなんて、人間ってすごいなーとか普通に思う。

ブロントサウルスみたいな木の根っこがあった。アフロヘアーだ。

こぶをひとつ超えると、荒野のような場所に出た。地蔵岳と観音岳の中間地点で、鳳凰小屋からのルートがある三叉路だ。

振り返ると、さっき登ってきた地蔵岳が見える。

ダケカンバのトンネルをくぐる。小さな昇降を繰り返す度に二度、三度と木々をくぐり、また段々とハイマツと岩の風景に変わっていく。

観音岳の肩に出た。

大きな岩と、穏やかな稜線。

鳳凰三山は地蔵、観音、薬師と、すべて仏様関係の名前が付いている。優しくてよく似あってると思う。

振り返ると、先ほどは目の前の山に隠れていたなだらかな仙丈ヶ岳。

花の季節にに登りたい。

南面へ登りきった。ずっと良い景色。

これから向かう薬師岳と、その向こうに大きな富士山。

観音岳の頂上はもうすぐ。

ここで、めん君よりちょっと先行してたので、

三脚を出してナチュラル俺かっけー自撮りを撮りまくることにする。

自然の中で自然な風景写真(おっさんIN)を撮る寸法だ。

そんな機会が無いといつも自分の写真が無いのだ。

代替の構図を計算して、セルフタイマーをセット。

12秒、OK。走る。。

おっと、重いザックも背負ってるほうがそれっぽい。やり直し。

ちょうど上半身入って、画面上に富士山。右手に薬師。よし撮るぜ!

……俺頭しか入ってなすぎ!!

もう一枚撮るか。

お前なにドンピシャで到着してんねん!!

いいよもう、もう一枚!!

よっしゃ行くぜー。

頂上だ。

頂上付近まで来ると、360度パノラマが広がる。

これはちょうど写真の真ん中が清里だ。ソフトクリーム食べたい。

着いた。先に休憩していた登山者がひとりだけいた。

鳳凰三山のピークだけど、基本的に地味な山頂である。

風が出てきたので、昼メシは薬師岳まで稜線を歩ききってからにしよう。

とりあえず、一番上の岩に登って360度パノラマを堪能する。

北岳、かっこいいな(本日2度目)。

北を向く。

今歩いてきた稜線と、甲斐駒と、北アルプスと、八ヶ岳。良い眺めだ。

南西を向くと、雲の海に浮かぶ南アルプス南東部の山々。

右手奥がここからだと見えないけど悪沢岳、荒川岳方面。真ん中が南アルプス林道が走る谷間だろう。

近いようでわりと未知の場所だなあ。

南東までぐるっと回ると、これから向かう薬師岳と、誰でも知ってるあいつだ。

新宿の職場からだって毎日のように見ているのに、ついこうして写真に収めてしまうのは俺が日本人だからなのか、やっぱりみんな富士山好きなんだと思うな。

今度こそ、相棒に「わりい、こういう感じで撮ってくれ」と頼む。

↑こういう感じ

……

(10枚くらい取り直し)

……

もうこれでいいです。にやけてるけど。

SNSのプロフィール写真にしときます。

さ、薬師岳へ向かおう。ハラ減った。

小石が動いてると思ったらクモがいた。

この石だらけの場所で意思を持って強く生きてるなあと感心した。ダジャレですが。

観音岳から薬師岳はほんのすぐで着く。

素晴らしい稜線だ。なだらかで優しい道、大きな岩と緑、ずっとパノラマ。

北アルプスの非日常的、非現実的な山稜の姿とか、同じ南アルプスの隣の白峰三山の稜線みたいなスケール感は望めないけど、わりと身近でお手軽にこの道を歩けるっていうのはその優しさ、易しさを含めてとても好印象だ。

きっと山ガールにもオススメ。山ガール全然いないけど。

流れる雲に霞む山々。

風景に感心して同じような写真ばっかり撮ってるけど、そのせいで全然前に進まない。今度は俺が遅れる遅れる。

堪能した。

もうすぐだ。

空きカンが埋まっている。

パイナップル味のようだ。

「山にゴミ捨てて、けしからん!」

と言うところなんだろうけど、小さかったころから久しく見ていない、クイって穴開けて飲むサビだらけの缶の姿に侘び寂びすら感じる。サビだけに。ダジャレですが。

着いた!

到着した!

いざ参った。

ここが薬師岳の山頂です。広い。

さあ、昼ごはんにしよう。もう昼はゆうに過ぎているので貸し切りだ。

メニューはスンドゥブマルタイである。

食料計画が崩壊している。次回はまともに考えてくるべき。

特等席だ。

今日一番の富士山。

今日一番の北岳。北岳かっこいいな(3回目)。

時間は既に13時を回っている。下りコースタイムが3時間半とかなので、普通に下っても夕暮れ前くらいになるだろう。

なんとか日が暮れる前にはクルマに着けそうだ。

本当はおやつ時前には下山して、温泉に入って帰ろうぜって行ってたんだけど、それはまた次回だな。おかしいな、ゆとりのプランだったのにな。なぜだ?

(A: 11時間寝たから)

この日の白峰三山も見納め。北岳に別れを告げて下山する。

帰りは中道コース。林間の登山道だとある。

下りの斜面に差し掛かったら、緑の森と、茶色の森と、これから降りていく東側の市街が見えた。

写真に写ってないけど、奥秩父から東、奥多摩の雲取山の方までよく見えた。1日いい天気で本当に良かった。

中道コースは林を真っ直ぐに切り開いた手作り感のある登山道だ。

林の中を下る。

林の中を下る。

ひたすら下る。

登りに使ったドンドコ沢コースのように次々変わる自然の景色を楽しめるような道ではなく、森の中をひたすら突っ切るルートだ。好き好みはあると思うけど、俺は登りがドンドコ沢、下りが中道で正解だったと思う。

水場や休憩所は一切無いけど、しっかり人の手が入った歩きやすい道だ。トレランの人には好まれるかもしれない。

1時間ほど下ると、巨大な岩の前に出た。

地図に「御座石」と書かれているから、祀られて目印となっているのだろう。

道はずっと一本調子だから、半ば小走りでガンガン下る。

ダケカンバ帯を降りきって、コメツガの林へ。

道も、林そのものもしっかり人の手が入っている。

ちょっと残念な気もするけど、安心して歩ける。

で、ガンガン降っていたらめん君が降りてこないので休憩しながら待つことにした。

しばらくして到着したところでどうしたのか聞くと、ザックの中で盛大に水漏れして大変だったらしい。

前回の常念岳では水が無くなって大変な思いをしたのに、今回は2日間ずっと水に縁があるなと思った。笑えねーと言っているところを撮って面白おかしく笑顔で楽しめるネタにしたかったのに写真撮り忘れた。残念だ。

次回の課題は、水と食事と睡眠はバランスよく、だ。

苔とシダの世界へ。登りの半分の時間で、逆の順序で辿る。

振り返ると、だいぶ野山感が戻ってきた。ついさっきの白い砂の山が嘘みたいだ。

でかい切り株を通り過ぎる。苔萌えにはたまらないことだろう。

そろそろ飽きて来た頃、道は笹の絨毯に変わった。

休憩場所がある。もうちょっと。やっと降りてきたようだ。

降りてきた山を振り替える。楽しかったよ、ありがとう。

ここから先はひたすら植林の人工林だ。淡々と下るけど、この風景もこの2日で初めてなので退屈せずに楽しむことができた。

下の方からだんだんうっすらと黄色の層が見えてきた。紅葉の国へ帰ってきたね。

空を見上げると、もう夕暮れに近い色だった。

さすがにいいかげん飽きて来た頃、赤い紅葉がお迎えでもうすぐゴールを伝えてくれる。

中道登山道入り口の看板があるところまで降りてきた。

キャンプができそうな広場になっている。資材置き場だろうか。

枯れ葉の絨毯で最後の休憩。

無計画にたくさんあるアーモンドチョコとハリボーのくまグミが丸々残っていたので、ひたすら食べる。

下る。

沢の音が聞こえてきた。もうすぐだ。

ただいま。

降りきった。壊れた小屋の横から、林道に出る。

青木鉱泉まで40分。時刻は16時。なんとか日が落ちる前に着きそうだ。

川沿いの林道を歩く。

右手に川を見ながら歩く。しばらくすると、山の左手からも昨日登った沢が合流してきて、青木鉱泉に行き着く。

青木鉱泉へは真っ直ぐは渡れないので、一旦昨日行きにクルマで通った車道の橋まで出て、同じ道を数百メートル登り返して到着。

やっと着いた。おつかれさま!!

写真を撮りすぎて選別できてなさすぎるため、20kmほどのゆったり登山だったけどこのブログ記事はヘビー級になってしまった。最後の方雑になるクセをなんとかしたい。

ヒジョーにお腹が空いたので、双葉SAで生姜焼きとうどんの定食をがっつり食う。

ソフトクリームも食う。ウマイ。

めん君に笹塚まで送ってもらって、都営新宿線で帰宅。

今回もいい山だった。

次はどこへ行こう。

▼鳳凰三山(1日目)

▼鳳凰三山(2日目)

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