「パンターニ」を観た

先日前売りを買った我らが英雄マルコ・パンターニのドキュメンタリー映画、「パンターニ」を観てきた。公開2日目の朝の回。

初日、2日目のモーニング限定バンダナもらった。



普通に良かった。ただ、先日観たエベレスト3Dについて考えすぎたせいもあるかもしれないけど、内容について「映画として」何か語ることは特に無い気がする。

あの90年台中盤から04年までの10年間にパンターニという選手に何があったのかを今確認したいという人にとっては要点がまとまっていて良いドキュメンタリーだと思う。
ただ、パンターニがプロの自転車選手としてなぜあそこまで猛烈に愛されたのか、を考えると、これから新たにこの時代を知りたい若い人には当時のジロとツールのDVDなんかを観たほうがいいかもしれないなあ、とも思った。

個人的には映画を見ている間、特にカレラ時代から98年までの5年間のシーンでは正直泣けて泣けて止まらなくなってしまったし、知ってわかっている結末へ向かうシーンでも泣けて仕方が無かった。つらかったけど、胸に来た。

ただ、たぶんそれはあくまでもパンターニが大好きだったあの時の思いそのまま思い出して観ているからであって、パンターニが好きだからであってこのドキュメンタリー映画自体が映画として特別優れているかどうかと言えば特別語ることは無いなあ、という、たぶん自分の中の感想はそういうことなんだろうなあと思う。

パンターニについて追った本(ピンク色のやつ)をベースに取材を交えて再構成しているのだと思うから、史実を映像として記録してくれたという意味では価値は大きいと思うし、身近な人々のコメントも身に沁みるものがあったけれど、早10年経ってしまったとは言えまだあの頃のことはそこまで昔というわけではなく、本当に価値が明らかになるにはまだ早いのかもしれない。

パンターニを描いたドキュメンタリーであるから、当然パンターニ本人の立場にフォーカスして、あの問題についてもパンターニの意向(本当のところどんな気持ちであの時を過ごしていたのかは今となっては誰にもわからないけれど……)に与した論調になっているけれど、今となってはあの98年から始まった一連の問題は自転車ファンのみんなにとってとても重く辛くて、実際あの問題がどうなっていたのかはだいたいわかっているし、一方的に陰謀論の肩を持つことも気持ちの上で難しいし、パンターニのパーソナルな問題についてどうだったのか真相がわからない部分はやっぱりわからないし、それが事実だし、当時モヤモヤとした気持ちはやっぱり少しだけ前進したけどモヤモヤはモヤモヤだという部分で残るのが現実なわけで、そのあたりはこのドキュメンタリーの限界なのかなーなんて思って劇場を後にした。

気持ちの上で救いだったのは、それでもやはり少しだけだけれどあの94年のインデュラインに勝ったレースや、97年のラルプ・デュエズや、98年のガリビエ峠の、下ハンダンシングで坂をロケットのように飛んでいく映像が何年経とうが何回観ようが見られるだけで最高にかっこよくて最高にアガるっていうことだった。

俺は元々キャプッチの大ファンで、中学~高校時代はテレビで*1いつも山岳をアホみたいなアタックで汗だくで登っていくキャプッチを応援していた*2。クライマーが好きで、いつでもぬもーっと速いインデュラインはあまり好きじゃなかった。

パンターニをはじめて知ったのは映画でもポイントと言われていた94年のツールで、「峠の蒸気機関車」と呼ばれていたキャプッチのアシストとして2人でピッタリと坂を登っていたときだ。解説の人が「パンターニは蒸気機関車どころか超特急になれる」と言っていて、なにをー!?と悔しく思ったのを覚えているけど、その後本当に超特急のように坂を登る光景を見て、クライマー好きの夢を叶えてくれたと思ったのだった。

と、そんなことを思い出した。
終盤は当時のように辛かった。

 

※余談

ところで、11月28日(土)公開で、直前に初日と2日目のモーニングはバンダナもらえるとFBで知ったので土日で行こうと思ったわけなんだけどこの日は仕事だったのでアサイチは観に行けないなあと思ってたら、28日レイトショーの部ではユキヤ選手(と飯島美和さん)のトークショーがあると言うんですよ。
時間的にどちらも行けてしまったので座席券引き換え行った時とっても迷ったのだけど、なんとなくパンターニの活躍した当時ファンだった気持ちを今のリアルの視点で語られるのを見るのも気が進まないなあと思った(のと、ユキヤ選手は好きだけどカノジョとトークされるのももやっとするなあとちょっとだけ。。)のがあって、結局バンダナ欲しさに負けて2日目の回にしたんですよ。

したら、思ってたよりバンダナがイマイチだった(チャ……いやもらっておいてなんだけど)。そして2日目にネットの記事に上がっていたユキヤトークショーがかなり内容充実だったようで、ああ!おっさんもトークショーに行ってユキヤ選手と写真撮ってもらえば良かったよ!!と悔しくなってしまってまたそんなことでモヤッとしてしまったのでしたよ。

そんな感じ。

*1:ちょうどその頃はフジテレビが放映権を持っていて、毎日15分ダイジェストの稀にみる謎編集でホント酷かったのだけれど。ちなみに91年までやってたNHKは10日間くらいのまとめ番組だけだったけど、ツボを押さえまくっていてずっと良かった。

*2:知らない人のために説明すると、キャプッチはまんまシャカリキのテルみたいな選手だというとわかりやすい。というかそれは順序が逆でテルはキャプッチがモデルになっている(単行本にもそう明示されている)

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