俺の相棒、ありがとうDAHON Vitesse(2003)

昨日12月8日火曜日、21時。
いつもの愛車で家路についてすぐ、神楽坂上。

俺のメインマシン、2003年式DAHON Vitesse。最高の相棒。

大久保通り、牛込あたりのアップダウンをぐいぐいと踏んでいたら、下り坂で一瞬「ぐにっ」と変なしなりがあったように感じた。

気になって停車し、ハンドル周りをグリグリとこじってみたけれど、どこにも異常は無かった。疲れてふらっとしたのかな、とか思いながら足元を見た時、どうしようもないものを見つけた。



 

あーあー。

シートチューブがぽっきりと真っ二つに折れていた。
それこそ、これはもうどうしようもないと一瞬でわかった。

毎日毎日乗っている自転車だし、なんとも言いようのない気分だったけれど、信じられないものを見たという感覚は無く、ボーっとしたアタマでああ、よく走ってくれたなあ、なんて思った。

不動のジャンクとして放出されていたこのフレームを手に入れてから8年間、23,000キロ。その前の格安OEM(通称ヤマホン)フレームだった時を合わせると11年間、32,000キロ。今まで本当に良く走ってくれた。

このブログの前の記事はペダルを買ったということを書いていて、日曜日にメンテした。この先も手放すことなんて考えたこともなく、いつものように壊れた部品を新品に変えた。ボロいけど、ピカピカだ。
本当にありがとう、って思った。

ここのところ、本当に良くないことばかりが起こって、大げさに言えば人生に暗雲立ち込め、色々なものを失い、そんなことがおどろくほど立て続けに続いてすっかり参ってしまっていたので候。そんな感じだった。

一瞬、その上心の拠り所の自転車も壊れてツイてないなあ、なんてこういう時は思うのかな?って考えたんだけど、不思議とそういう気にはならなかった。普通に考えて、どう考えても物理構造に問題があるであろうアルミのヨコ折れ一本フレームの折り畳み自転車にこれだけ乗ったんだ。満足しかない。

写真撮ってしばらくしたら涙出てきた。ちょっとひとりで泣いたね。

 

blog.marplus.net

この自転車は自転車趣味な感覚で考えたらとんでもない安物(というか実際ジャンクパーツだけで組み上げた)なんだけど、色々ありすぎて今までに無いくらい思い入れのある自転車になってしまった。モノに執着したり擬人化するようなことはあまり良くない、って普段思っているんだけど、重要なポイントでいつも近くにあるものっていうのは誰だって必ずあるはずだと思う。ちょうど一年前にもブログを書いている。

 

仕事場を出発したばかりで、とりあえず家には帰らなければならない。
幸い後三角は生きていて、すぐに崩壊するようなことはないだろう。当て木代わりにDAHONの長いシートポストを思い切り下げて、騙し騙し走って帰ることにした。

神楽坂から飯田橋交差点を抜ける。
飯田橋は、以前働いていた会社があった場所だ。

mar.hatenablog.com

つい先日このエントリに、こんなことを書いた。 

疲れきったある日思い切って自転車で仕事に行ったら、真夜中の帰り道、自転車の上で無心になったとき、スーッと何かが浄化されるような気がした。

ちょうど、この時の自転車で、この時の道を通った。
信じられないくらいとても落ち込んでいたせいもあって、なんだかセンチな気分になってしまった。

ひどいことが続いていたけど、逆にもっとひどいことをこのフレームが受け止めてくれたのかもしれない、なんて思った。何か憑いているんじゃないかっていうくらいの気分だったけど、なぜかいいお守りを持てたような気持ちになれたから不思議だ。

 

アタマを切り替えて考え事しながら走る。
しかし実際のところ、自転車が無いと成り立たないような暮らしをしているから、 何か用意しないと困る。もしDAHON号を入れ替えることがあったらどうしようか、グレードアップしようか、実家で使われず放置されている古いロードのフレームに余っている9速ホイールを組合せて足にしようか……なんてことをたまに妄想してたんだけど、実際のところは新しい自転車に乗り換える気持ちもお金も無かった。

すぐにヤフオクで代わりのフレームを探そう。このVitesseは5,000円で手に入れたから、予算10,000円以内でなんとかしたい。初代ヤマホンのフレームは現役だけど、兄が組み直して(知らない間に古ーいデュラエースAXとか付いた変態カスタムが為されていた)現役で乗っているから、あれを戻すのは無理だ、とか。

思い切りセンチになったついでに、亀戸サンストリート、2016年3月末で営業終了のお知らせを見ながら思い出にふける。

サンストリートはいいショッピングモールだ。
特別なものは揃わないけど、手作り感があって、居心地が良くて。

俺はこの街の出身ではなく、4人家族になった年に仕事の都合で越して来たので、このショッピングモールが子ども達と家族の成長の思い出とともにある。

最初にDAHONを買ったのはその年のことで、この街で暮らすために必要だから買ったんだった。

いろいろなものが寿命を迎えるのは寂しいけれど、それがまた新しい生活のスタートなんだと思うことにしよう。

広告

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存

フォローする


コメント

  1. サイトコ より:

    泣ける。厄落としになったんだねぇ。合掌。

  2. marsrepublic より:

    そうそう、厄落とし……
    って、普通にこのフレームで3万キロ走ったら寿命だし、厄って言ったって「生活苦しいよ―」みたいな煩悩が解消するわけじゃないんですけどね(笑)
    まあ、使い込んで切れたら幸運が訪れるかもしれません。ミサンガか。