ザ・ウォーク:最高レベルのバカ映画(褒め言葉)

ザ・ウォーク観てきた。公開2日目。IMAX3D。

1974年、実在の(現役だ)大道芸人フィリップ・プティ氏が実際にやった(やらかした)WTCの2棟の間にワイヤーを掛けて綱渡りをするという実話を元にした映画だ。

有名な話だということで、2009年にはこの題材のドキュメンタリー映画がアカデミードキュメンタリー映画賞を獲っている。

監督はロバート・ゼメキス。というと何と言ってもバック・トゥ・ザ・フューチャーが強すぎて以降の作品は当たり外れある印象だけど、VFXをグリグリ使って人の夢を描く監督、というイメージだと思う。
そういや、この年明けはロバート・ゼメキス、ロン・ハワード(白鯨との戦い)、リドリー・スコット(オデッセイ)と80~90年代に少年時代を過ごした年代には堪らない監督の作品が並んでいることに気づいた(もっとも、リドリー・スコット監督より亡くなった弟のトニー・スコット監督のほうがしっくりくる並びかもしれないけど)。エンタメ最盛期の監督が健在であることは素直に喜ばしいことだ。

この映画、IMAXの劇場ではかなり前から予告が流れていて、俺は実はすっごく公開を楽しみに待っていた。超高層ビルを綱渡り!ただそれだけ!ウヒョー!最高!!っていうのが俺の期待である。非常にバカっぽい感覚だと思うけど、果たして観てきたら実際その期待どおりで俺は間違ってなかった。

しかし、公開2日目の期待作にも関わらず、109シネマズ木場、正午過ぎのIMAXシアターはなんとガラガラで無駄に快適すぎる空間だった。上に書いたようなウヒョー感に共感する人はあまりいないのだろうか。ちなみに妻に話したら「超つまんなそう」と言ってた。まじで?


映画『ザ・ウォーク』予告1 2016年1月23日(土)公開

これは2分の予告編。これを観ると、プティ氏が綱渡り師になり、WTCにワイヤーを掛けて渡るという夢を見て、苦労してビルに侵入し、そして渡るのだ、という映画なのだろう、というのがわかる。

 

さて観終わって、実際の映画の筋書きもこの予告編で説明されていることのとおり、というかほぼ予告編を見ればストーリーは把握できるし、それを2時間やっている映画だ、と説明すればほぼ間違いない。そもそも実話なのでネタバレとか無い。事実だ。

じゃあつまらない映画なのかって?
いやいや、そんなことは全然ないぞ!!

結論から言うと、最高に面白かった。最高。俺は迷いなく★5個付けるよ!!
(※個人の感想です、という注釈が似合う感はあれど)

いやー、「映画を観た!」っていう実感すごい。
現実の話だから奇跡も魔法もないのだけど、「クソ高いところで綱渡りをする」という一点突破の夢を、最高の映像でじりじりと見せていく、真面目で熱くて真剣なストーリー、手に汗握るドキドキハラハラの高所感、息を止めて見守った後の感動。疲れた、でも楽しかった。現実は小説より奇なり、を体験させてくれる映画だ。

観終わってつくづく思ったんだけど、人間ってほんとバカだ。本質的にバカで、バカが大好きな生き物なのだ。山バカ、坂バカ、スピードバカ、バカの付くような求道者はいろいろあるけれど、なぜやるかはわからないけれど人のやらないことをやる、できない高みがあればそこを目指す、きっとそういうことに熱くなるのだ。バカな挑戦が世界を切り開くのだ。そんなことを思った。

この映画は、お笑いという意味でのバカさは存在しない真面目な映画である。ただ、「綱渡りバカ」がいて、「映画バカ」がエンターテイメントに昇華させた、そんな映画だ。理屈抜きで高度400メートルのワイヤーから見下ろしたニューヨークの景色にのめり込めばいい。ぜひおすすめしたい。

俺はあまり3Dが好きじゃなくてSF大作も2Dで観ることが多いのに、この渋い題材の映画をIMAX3Dで観るのってどうよ、と思わなくも無かったけど、IMAX3Dで観て大正解だった。むしろ、最高に3Dがいいよって言いたい映画だった。

フランス人のプティ氏による40年も前の挑戦というが、あの9.11からも既に早15年。時が経つのは早い。
冒頭からエンディングまで終始一貫して語られ続けるツインタワーへの畏敬に、アメリカの思いのようなものを感じた。

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