進入禁止(自転車を除く)で自転車はどこを走るのか問題と対策

ある日の帰り道、家の近所の亀戸の路地裏で道路の路面に自転車進入方向表示のペイントが追加されていることに気付いた。

これ。この辺りの一帯、一方通行の道路の左右にペイントされている。
もちろん、どちらも左側に向かって矢印が引かれている。当然だ。

ほー、いいじゃないか。
こういうのでいいんだよ、こういうので。

俺が、というより日本全国の自転車乗りが、きっと長い間積年の無念として恨みが募っているのだろうと思わずにいられない問題に、「進入禁止(自転車を除く)の自動車一方通行路で自転車はどこを走るのかの無理解に伴うトラブル」というものがある。

標識で言うと、これだ。

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(画像はイメージです。本文とは関係あります一応。)

 

結論から言うと、正解は

「どっちに向かっていても自転車は常に車道の左の端」

である。
自転車好きにとっては常識でもある、「キープレフト」に従うだけだ。
自転車はどんな時でも「車道の左側」が原則なのだ。

これについて解説すると長くなるからここでは書かないけど、これは単に法律上軽車両はそう定義されているよーっていう堅い話を言っているのではなくて、実に論理的に、合理的に、安全的に適切なルールなのだ。

最近、ふつうの道ではかなり浸透してきてはいるキープレフトだけれども、上記の「進入禁止(自転車を除く)」道で、自動車進入禁止方向に進むときは話が別だ。

ぜんっぜん理解されていないし、ルールが浸透していない。
下町の商店街みたいな雑多なところだと、この問題は特に酷いことこの上ない。少なくとも2016年2月現在では。

よくありがちなトラブルとしてはこんな感じだ。

  • 対向で向かってくる自転車が右側を逆走してきてトラブルになる。
    -パターン1:左に路駐が多くて、一方通行だしいっかと右端を走ってくる。
    -パターン2:左に寄るクルマにすり抜けられるのが嫌で、ドライバー側の右端を意図的に走ってくる。
    -パターン3:一方通行だから自転車も一方通行で好きなところを走れば良いと思っている。
    -パターン4:そもそもキープレフトを知らない。

  • 対向で向かってくる自動車がケンカを売ってくる。
    -クラクションを鳴らされる。
    -すれ違いざま「どこ走ってんだオラ―!」とか言うDQNがいる。

  • 進行方向左側の道から右折してくるクルマ(特に際立って原チャリが多い)が、まったく進行側方向を確認せず飛び出してきてぶつかりそうになる、または本当にぶつかる。
    ※一方通行だから左(自動車侵入側)だけ確認すればいいだろうと思っている。

  • 同じく、歩行者が左だけ見て飛び出してくる(もちろん、横断歩道のあるところは別の話)。

これらは1番目から4番目まで実際に過去経験がある、あるあるパターンだ。しかも一度や二度じゃない。何度も嫌な思いを体験したことがあるし、それでケンカになっている人達も警察呼んでる光景も何度か目撃している(下町クオリティ…)。

4番目の歩行者については車両側一時停止が原則だってのはあるにせよ、基本的には上記の例ではすべてキープレフトで進行する自転車に非は無い。もちろん、無茶な飛ばし方したら危ないよ、とかそういう当たり前の話はあるけど、それはまた別の話として、ね。

 

で話を戻すと、実にシンプルで合理的な対策として、冒頭のような「自転車はここを走るんだよ」という案内は、非常にスマートで、良心的なものだと思う。トンチンカンな話題ばっかりの自転車行政の中において、珍しく(と言ってもいい)どんどんやるべき、という対処じゃないだろうか。

クルマも人も「あ、そうなんだ、それが正しいんだ」と気付く教育や表示はどんどんやるべきである。歩道の上に自転車レーンがあったり、街道沿いにガードレールで自転車帯を区切ったり、幅50cmの路肩だけ無理やり色分けしたようなヘンテコリンな自転車レーンより、ずっと正しく、正義感があり、効果的でクールだ。
しかも手軽で安い。だって大げさに言ってるけど、ただ単に自転車の絵を塗っただけだもんね。

 

ところで話は変わるけど、この表示が「亀戸」という街に現れたことに、自転車ファンとしてはとても感慨深く思うのである。

今から7年ほど前、亀戸の京葉道路(国道14号)沿い数百メートルにわたって、片側3車線国道の路肩をガードレールで仕切って作った「自転車レーン」なるものができた。

これは国道の路側帯のわずかな幅をさらに上下交互通行に仕切ったもので、行き違いで衝突するわ、バス停で横切る歩行者にも衝突するわ、大きな交差点を渡ると突然自転車の進入路が無くなるわ、路面はガタガタだわ、ガードレール沿いに客待ちのタクシーが溜まって危ないわ、一言で言えば危険、二言で言えば最悪この上ない、正気の沙汰とは思えない悪名高い施策として名を馳せたのだけれど、「自転車の新常識」などという狂気のキャッチコピーとともに度々事故を起こしながら、沿道で死亡事故まで発生しながら7年経った今もまだ健在である。

詳しいことは疋田智さんが詳細かつ完璧にこの道の問題点をレポートした記事を2010年の末にネットで書かれていたのでそれを再掲しようと思ったのだけれど、残念ながらもう消えてなくなってしまっていたので、それについて話題になったTogetterと、ヒキタさん自身のメルマガを貼っておく。

togetter.com

melma.com

 

もちろん最終的には自転車が普通に車道を走れて、駐輪場もあって、本当の意味で市民権が得られるようにする道路整備、街づくりが社会全体で行われていくことが一番なのだと思うけれども、ひとまずは冒頭のペイントのように「当たり前のことを当たり前に案内する」という動きがあるだけでも貴重な一歩なんじゃないかと感じる。

これがオリンピックへ向けた街づくりのグローバル標準化の一環として、ヨーロッパの先進事例を参考にしてやっている成果ならば、オリンピックによる街づくり効果も捨てたもんじゃないと思うんだけど。

 

以下は今年に入ってから見たニュース2つ。ドイツとイギリス。

まだまだ、ニッポンの自転車の道のりは長く遠い。

gigazine.net

www.gizmodo.jp

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