#火星DASH村こと「オデッセイ」を観てきた

リドリー・スコット監督、マット・デイモン主演の話題の宇宙モノ「オデッセイ」を観てきた。

けっこう宣伝が流れていたので気になっていたし、宇宙モノ大好きだし、リドリー・スコット大好きだし、絶対観ようと思ってとっても楽しみにしていた。

ちなみに原題は「火星の人」なので、この邦題はなんなんだよっていう気もしなくもなかったけど、観終わってみたら案外悪くないかもっていう気になってる。

いやあ、めっちゃくちゃ面白かった。大好き。

とんでもなくポジティブで、SFの醍醐味と人間の生命力を胸いっぱいに味わえる傑作ですよ。空気も水も無い火星でひとり取り残され、ひとりで困難を切り抜ける、そのストーリーを想像するととってもヘビーなはずなんだけど、カラッと明るい不思議な映画だ。

上映時間は140分オーバーと長い。しかも、スケールのでかい話なのに主人公は火星でひとりきりで地道なサバイバル作業を淡々とやっているので、スターウォーズみたいに派手な見せ場があるようなスペースオペラ映画でも無い。ぶっちゃけ、NASA、火星、宇宙っていうキーワードでワクワクできない層は寝そうになるんじゃないかっていう不安はある。
でも、実際のところSFに興味のない文系男子女子が観ても、人間ドラマとしてもまさかのコメディとしてもすげー楽しいのでこれから観る人は安心していいと思う。

変な映画だ。
シリアスな題材なんだけど、いろいろ突き抜けている。

さすがはリドリー・スコット、宇宙と火星の映像表現は最高だ。リアルでスケール感があって、荒野の地平も、宇宙船もステーションも宇宙服も小物のひとつひとつもえらいかっこいい。宇宙好き大興奮間違いなし。

しかし映像の良さは予想できたけど、音楽の使い方の上手さにやられまくった。前情報無しで観に行ったので、あんな曲の使い方をしているとは思わなかった。ほんと、それだけのために観てもいいくらい。
現実的な現代の世界観で想像できうる科学力の中で、火星でひとりぼっちというどう考えてもハードSF寄りの世界観なのにも関わらず、ずっとドナ・サマーやらアバやら、70年台のディスコ・ミュージックが大音量でかかっている。なんだそりゃ。
なぜかこれがもう、すごくいい。陽気で、生命力があって、郷愁があって。
あと1曲だけ、あるシーンでディスコ音楽じゃない誰でも知ってるあるロックの名曲がかかるんだけど、すごいよ、思わず泣いたよ。

それと演出も上手いなー。
難解なネタもあるはずだし、主人公の状況説明も難しいシチュエーションなのに、記録としてカメラに一人語りをしながら、自然に観客も状況を共有、共感している。
主人公のワトニーはどうやら独身らしく、家族とのエピソードやお涙頂戴系の補足もほとんど出てこない。でも、わずかな交信の掛け合いで彼自身の人間性も他のクルーとの人間関係もコメディタッチで伝わってくるようになっている。ハリウッド的エンターテイメント感あるけど、テンポもいいしテーマがブレなくていい。

主演のマット・デイモンがまたいい。
異常に冷静で、タフで、しかもユーモアに溢れている、(他のクルーもそうだけど)天才すぎるだろっていう主人公を嫌味なく演じている。最初はすごいマッチョなのに終盤だんだん痩せていく(ように見える)ところとか、苦労を感じさせながら力強さを失わないところとか、これまたなかなかすごい。

でも映画的にスーパーマンすぎるだろっていう登場人物も、実際のところ本当に宇宙飛行士になって火星に行くような人がいたらこんな感じの精鋭じゃなきゃいけないんだろうなっていう意味ではリアルなのかもしれないなんてことを思いながら観てた。
ハードSF系の映画って映画ファンとSF警察が映画的演出と技術的考証について場外乱闘するのが常だと思うんだけど、この映画はかなりハイレベルにそのへんをクリアしつつ、突き抜けたポジティブさで色々な問題を飛び越えているのではないだろうか。

 

あと、映画を観ながらやたらジャガイモを食べたくなった。芋最高。
色々書いたけど、この映画の最大の見せ場はたぶん芋。まちがいない。

Twitterでは「#火星DASH村」というハッシュタグが流行ってるらしい。火星DASH村でもDASH火星でもいいんだけど、これはいい表現だ。いや、予想以上に#火星DASH村だった、いい意味で。もしこの映画を日本でリメイクするなら、主演は城島リーダーにしていただきたい。
そう言われると、SFに興味ない人もちょっと観たいという気になってこないだろうか(適当)。

2001年を神と崇めるクラシックSFファンにも、宇宙兄弟が好きな人にも、DASH村が好きな人にも安心して勧められる間口の広い良策。おすすめ。
とりあえず小6の息子は最高に面白かったと言ってたので、小学生でも全然いける。

それでもよくわからなくて退屈だと思ってしまう人や、逆にハリウッド映画的演出が肌に合わなかったり技術的考証ガーと気になってしまったりする人は合わなかったということでそれはそれでまあしゃーないってことで。

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