実にひさしぶりに何もない日曜日だった。
ここのところなんやかんや週末も仕事や用事があったので。

どっか出かけてくればと言われて、息子がおもむろに凧を揚げに行こう、と言った。
いいね、そうしよう。今年は凧揚げもしていなかった。

小さな子がいて近所にちょっと広い公園がある家なら、どこもだいたいお正月に凧揚げをすると思うんだけど、最近はそうでもないのだろうか。凧揚げをしたことが無いという子をよく見かける。

うちは毎年お正月には凧揚げをしてたと思うんだけど、子供らが大きくなるに従って、2、3年前からなんとなく、もしかしたら今年が最後かな、そしたら俺にとっての最後の凧揚げだったりするのかな、なんておセンチなことを思ったりしていた。伝統芸能をやっているかスポーツカイトにハマりでもしないかぎり、大人だけで凧揚げをする機会ってなかなかない。

ごみごみした都区内に住んでいながら、思う存分凧を揚げられる公園がすぐ近所にあるのはとても幸福なことだ。もう2月も末だけど、この日もたくさんの凧と紙飛行機が飛んでいた。ここはたくさんの土壌汚染の上に作られた人口の広場だけれど、立派に街の暮らしに貢献している公園だと思う。

一日風があって、ゲイラカイトを広げると息子と共にあっという間に広場の向こうへ豆粒のように走っていった。
こうして見ると、まだ小学生だなあって安心するのだけれど。中学生になったらもう親父と凧揚げには行かないんだろうな、とか思ったり。

俺は凧揚げが好きなのだ。凧を風に乗せるために必死になったり、空に舞う凧を眺めているだけで無心になれる。あの少年のような気持ちを思い出す感覚が好きだけれど、本当の少年がそばにいないとなかなかその機会が無いから、自分の下の子が中学生になろうかという年になって、いよいよ俺も「卒業」か、なんて思ったりする。

ボーっと空を見上げてたら考え事が飛躍し、自分も40代が見え始めてきて、急速に折り返し以降というか、人生の色々な要素が収束へ向かっていく感覚をリアルに感じ始めるようになってきたなあなんて年寄りじみたことを考えた。急に、人生は短いんだって思ってみたり。
※いや、自分の年齢はあまり関係ないな、そんな年食った気はしないし、こんなこと言ってたらお前まだ若造だろうがとじいさん世代に怒られそうだけどね。

自分が凧を揚げているときは無心だからそんなことは考えていないんだけどさ。
いくつになっても心はフライ・アウェーイでいたいものである。

風もあるし、せっかくだから2本のタコ糸で引くスポーツカイトっぽいの(と言ってもトイザらスで1,500円也)もやってみようぜ。

これ、難しくて一度もまともに飛ばせたことない。非常にヤングなボーイの心をくすぐられるが、毎年出すだけ出して挫折している。

今回は風が強かったおかげで、数十秒だけ飛ばせた。もっと修行が必要。
このニューカマーを飛ばせないかぎり卒業はできそうにないぞ。

ゲイラカイトでは簡単すぎるので、俺が飛ばしていた戦闘機を渡した。

こいつは正直あまり良く飛ばない。翼面積が狭くて若干トリッキーな動きをする。

でもさすがに、もう何も言わなくても飛ばせる。

河川敷近くでは、千本桜の片隅にちょっとだけある河津桜が満開だった。

 

おやつどきに風が弱まってきたので途中ミスドへドーナツ食べに行ったり、コンビニでカップラーメン買ったりしながら、日が暮れるまで凧を飛ばした。

夕方近くになるとまた強い風が出てきて、ビニールのゲイラカイトは何もしなくても空へ勢い良く揚がっていったが、そのうち息子がしょぼくれて川の方から走ってきた。
上の娘が幼稚園の頃買ったキティちゃんの凧ではさすがにあんまりだということで去年買い直したゲイラカイトは、強風に煽られて糸巻きからタコ糸が切れ、気が付くとあっという間に荒川の向こうまで飛んでいってしまった。

こういうとき、これまでいつもはだいたい根気強く凧や飛行機を探していたんだけど、この日はなんとなくそういう気分にならなくて、飛んでいってしまったものは仕方ないね、と諦め、もう遅いからもうちょっと戦闘機の凧を飛ばしてから帰ることにした。

なんでだろう、もちろん大したモノじゃないとかよくあることだとかっていうのもあるし、荒川まで飛んでいってしまってはどうしようもないっていうのももちろんあるんだけど、そういうことよりも、仕方ないね、あの凧良く飛んで良かったね、凧揚げ楽しかったねって言いながら帰りたいなあっていう気分だった。
それが、こうして自分の子どもと凧揚げしたりする時間もあまり無いかもしれないから今日は楽しく帰りたいなあ、っていう思考のせいなのか、気分のせいなのか、成長なのかはよくわからないけれど。

戦闘機の凧もあちこち故障していて最後はなかなか飛ばなかったけれど、一日遊べて楽しかった。こういう、なんでもない当たり前の休日ってとても大事だ。日々大切にしたいと思う。

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