アルフレックス・リッジランナー

うちの前にある自転車さん(ミヤタのママチャリを扱っている街の自転車店)の窓には、「ALFREX Ridgerunner」のステッカーが貼られている。

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「カーボン・アルミのATB」

「ATB」というのはオール・テライン・バイクの略で、MTBがかのフィッシャーの商標登録だったためにミヤタ他数メーカーが無理やり推奨していた呼び名のことだ。
その後、MTBが一般語化し(実態上は80年代からMTB以外の何者でもなかったけど)、オリンピック種目名にもなり、フィッシャー自身が公用語として使われることを好意的に認めたこともあって、蛍光色のオンザのプラスチックパーツや、ゼファールのポンプや、カラーアルマイト塗装や、タイオガのステムなんかと同じように懐かしワードとして記憶されている。

このフォントのミヤタALFREX Ridgerunnnerのロゴは89年、90年の2年間だけ使われていたものだから、おそらくその時に貼られたものなんだろう。あれから25年。毎日家に帰ろうとしてこのシールを見るたびに目頭が熱くなるんだよね。

ALFREX_Ridgerunner_ALUMI_SuperHibrid_OS_RealTiger_470_s
1989-90 ミヤタ ALFREX Rigerunner アルミ・スーパーハイブリッド O/S リアルタイガーカラー (長い)
サイズは470。町田のイトイで注文した。確か二代目の弟さんのほうが整備してくれた。

俺の初MTB。スポーツサイクルとしては3台目の自転車だったけど、自分で欲しいと言って自分でカタログもらってきて選んだ自転車はこれが初めてで、今でも形式名から値段からパーツから何から何まで空で言える。
特別すごい自転車じゃないんだけど、当時の思い入れだけならこれが一番かもしれない。

ALFREXは当時ミヤタが得意としていたアルミハイブリッド素材のシリーズ(カーボンもあった)で、当時まだ珍しかったアルミ前三角を溶接じゃなくカシメ金具とボンドで接着したフレームだった。ロードもあったけどMTBブームのおかげでMTB(おっと、ATBと言うべき)の印象が強い。
前三角がオーバーサイズアルミのプレーン管、後三角とフォークがクロモリという今考えると変なハイブリッドなバイクだ。

中学生になったばかりの当時まだ背が小さくフレーム大きすぎた(ポジション合ってなかった)上、ガリで体重が軽かったせいもあり、乗り味としてはとにかくもうやたらガッチガチに硬くて、重心が高くて、はっきり言ってまあ、ヒジョーに乗りづらい自転車だった。
これがMTBか、とか思って満足してたんだけど、友達が乗ってる日本の旅自転車流儀なアラヤMuddyFoxやBSワイルドウエストに乗ってみたら柔らかくて重心が低くてとにかく乗りやすくてなんじゃこりゃと思ったのをよく覚えている。
そんなわけで、フレームの硬さやジオメトリで自転車は全く違う乗り物になるんだ、ということをその頃よく学んだ。
そんなフレームだったから、抜重やマシンコントロールもこの自転車からスパルタ的に学んだ。
大人になった今も、自転車を操縦するスキルの大半はたぶんこの自転車で身につけたものだ。

このリッジランナーで、中学生時代いろんなところを走った。
たくさん山も下ったし、キャンプ道具を積んで伊豆一周したり、夏休みに2週間かけて信州一周したりもした。長野の新聞にも載ったのがいい思い出だ。
安いシマノ・エクセージコンポのパーツ群は正直使い勝手が悪くて、コツコツとカスタマイズして自分だけの自転車になった。コンポはかっこいいデオーレDXになり、大概の整備もこれで覚えた。
もし今でも手元にあったなら、きっとずっと大切に乗り続けていただろう。
自転車趣味を始めて以降の歴代の愛車はほぼすべて形を変えながら所在のわかる場所にあるが、盗まれてしまったこのリッジランナーは唯一手元を離れてしまった自転車だ。

前にこの自転車屋さんのおじさんに別の自転車の防犯登録をお願いしに行ったとき、僕昔リッジランナー乗ってたんですよ、と話したら、とても嬉しそうに当時の話をしていた。「俺、グレッグ・ヘルボルトに会ったことがあるんだよ!」と自慢気に20年前のサイン付き写真を出してきて見せてくれた。
自転車が好きなんだな-と思った。

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コメント

  1. ryonpapa より:

    はじめまして。
    変なリッジランナーブログをやっているryonpapaと申します。
    全盛期にリッジランナー乗っておられたなんて羨ましいです。
    フィルムの写真も味があります。
    是非当時のことを記事にしていただきたいです。

  2. つっしー より:

    はじめまして!コメントありがとうございます
    (すみません、ブログの設定を間違っていて公開承認が必要になっていました)。

    実は、ryonpapaさんのブログはちょくちょくお邪魔しております(^^ゞ
    先日、「NO MUTTERさん」のリッジランナーの記事を読んで涙出ました。。
    私のリッジとサイズ含め全く同じものです。

    私のリッジは記事の写真を撮った数カ月後盗難にあって戻ってきませんでした。
    当時の写真があまり残っておらず、同じモデルの写真をネットで検索したのですが
    ほとんど見つからなかったのです。

    あの数年のMTBブームは本当に楽しかったですねー。
    今でも、ryonpapaさんのサイトに載っているような自転車を見ると気分が上がります。
    またその頃のことを書きたくなってきました。よろしくお願いします。

  3. ryonpapa より:

    つっしー様

    あんな場末のブログ見ていただいていたのですね。嬉しい限りです。
    書いている自分は当時のMTBブームをまったく知らないので、当時の情報の片鱗を眺めては、今では想像の付かない過去の世界に憧れています。
    今後も楽しみにしています。