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PTAへの加入をやめるべきか

半月くらい前の話だけれど、菊池桃子氏がPTA問題について語っている朝日の記事が話題になっていた。

菊池桃子さん「PTAは任意」 発言に広がる共感なぜ?:朝日新聞デジタル

気力と時間があったら後でなんか書く

2016/04/27 09:18



PTAの話題は良くも悪くもよく燃える。

おそらく、決して楽しいキーワードで無いながら、子どものいるほとんどの家庭で何かしら思うところがあって皆が皆一家言ある(つーか、いっちょかみしたがる)話題であることと、その光景を非対象世帯から見たときの印象に、一種異様なものを見るような異世界感を感じられるからで、結果的にものすごく射程が広く可燃性の高い議題になってしまうからだろう。

そんなわけで、俺もこうして脳内メモを吐き出しているわけなんだけど、上の記事の菊池桃子氏の発言内容自体はとても良いし同意できる内容だ。だがしかし、それを見て「そうだそうだ」と外野で騒ぐ人々の反応にかなりモヤッとするので、そのあたりを書き残しておきたい。いや、この話題になるといっつもこのやり取りが発生するのを見かけるんだけれども。

◆前提:お前は何なんだ

俺自身は元々優等生な方でもなく、PTA的なものや、あの独特な雰囲気はそれほど好きでも得意でもないし、自分が親になって関わる側の立場になってもその感覚はそれほど変わっていない。なので、「旧来の様式ありきのPTA活動」は本来好きな方ではない。また詳しくは後述するけど、「PTAという構造に利権や承認を求める人々」についても良く思ってはいない。

だけれども、だから「参加は自由!私は参加しない!」と言ったかというとまったくそんなことはなくて、我が家は色々考えあって逆に夫婦それぞれにガッツリPTA的なものに関わってきたほうだ。子ども達が中学生になってしまった今は直接的な関わりは少なくなってきたけれど、小学校だけで8年の間何かしらの役割を担当してきた。

俺個人は自分の子どもが卒業してしまった今も、小学校のおやじの会の会長的なものをやっていて、そっちの活動は別のブログに書いている。PTAに限らず、地域活動参加に関しては大賛成派だ。

 

◆結論から書きます

  • まず、ラ・ムーのボーカリスト氏の語るところの「PTAは任意だ」という論旨については賛成だ。言われてやる、やらされてやる、同調圧力でやらなければならない、というようなものでは決して無い。本当の本当に無理な人は救済されるべき。
  • じゃあ、どうすればいいかという話になった時に、PTAなんてやめてしまえ、解体しろ、税金で予算をつけて有料で運営しろ、というようなことを言う人がいるけど、これらについては逆に反対。
  • 地域活動の稼働負荷問題を解決するためには、真逆に考えて、むしろ参加率を高めて一人あたりの負荷を下げるのが妥当。脊髄反射で文句言う人がいるが、そういう人こそもっと参加しよう。ラクできるための意見を言うべき。民主主義ってそういうもんでしょ?選挙と一緒。参加率を高める以上の良作なんて無い
  • えー、何いってんのこの人、結局同調圧力マッチョじゃん、って思われるかもしれないけど、それは違う。
    自分の子どもと、家族が生きる街との繋がりや生活の充実、安全を高めるには、金で解決するかコミュニティを活用するかのどちらかを選ぶべき。両親バリキャリでお金はあるが時間が無い、学校のことはお任せで頼みたい、という人は私立に行かせたほうが良い
    少子化と貧困に立ち向かいつつ公立サービスの品質に期待したいのならば、みんなで参加を高めましょう。
  • 後述するけれど、事実として「PTAは無駄なことばっかやらされて大変」という問題はある。これについては、活動そのものの存在を叩くのではなくて、運営の品質改善と効率化で省力化を図るべき
  • 参加ってなんだよ、ベルマークなんかやりたくねーよ、っていうのはごもっとも。これは俺の回りもぜんぜん改善されていない話なんだけど、本来は時間を削って顔を合わせて、っていうだけが参加ではないし、このご時勢、遠隔でも分散協力できることって色々あるはずなので、これからの地域活動はリモートでできることの分担を考えていくべき。

これもマッチョな考えかもしれないけど、結局のところせっせこ役員や行事の手伝いをやってくれる人って、地域の顔役的な地主系の人とか時間にゆとりのある公務員系の人を除けば、結局普段の仕事も忙しい人がやってるっていうことが多いんだよね。優秀かどうかは別として、ウチもそう。会社と一緒ですね。
だから、本当によっぽどよほどのことがない限り、「忙しくて100%何も参加できない」ってことって無いと思うんですよ。それでも本っ当に無理なものは無理な家庭環境の人は仕方ない。そこのフォローも含めて、みんなでやったほうが良いってことだと考えるんだけどね。

◆PTAあるある問題への対処

学校、先生との間のやり取りや関係性の問題については地域やケースによって全く異なるので、ここでは保護者間で改善できる運営に関することだけを書く。

  • 決まった人しかやらない問題
    – 仕事をやる人、引き受ける人がごく一握りの決まった人だけになってしまい、局所的な負荷が高まる。
    – この状態にハマってしまった人の間で「やらされている感」が発生し、モチベーションが低下。
    – 内輪化、村化、ガラパゴス化が発生し、ドン引く人が出てくる。
    この問題には数種類あって、「まじめでいい人が抱え込む」パターンや、「参加する親のほうが居場所や承認欲求を期待している」パターンなどが見られる。いずれにしても主要プレイヤー関係者と第三者の間に壁ができてコミュニティが閉塞するので、あくまでもこの活動は(PTAであれば)子どもたちのためにやっているのだ、という目的の共有を明確にしてオープンに情報伝達するべき。
  •  次の世代が見つからない問題/旧世代問題
    – 上記の課題と表裏一体。地域コミュニティは毎年常に新規加入者の参加と入れ替え、回転が円滑に行われるようにする。
    – 「自分たちで作る」やりがい、主体性の創出。自らの手で学校の環境を改善するという企画の余地を仕込んでおかないとヤバイ。「昔からやってるから」の押し付けがもっとも危険です。
    – OB問題。書きづらいんですけどゴニョゴニョ。とにかく、若い世代が積極参加して立ち向かいましょう。選挙と一緒。
    オープン&フラット、ハードルの低さ大事。面倒でもご近所コミュニティは広げておいたほうが結局はみんながハッピーになる。
  • パソコン使える人問題
    – 広報や議事録などの書き物が意外と多い。で、専業主婦層にこれらが得意な人が相対的に少なく、パソコンが得意な人、使える人に資料作りやらPTA会議室のLANのメンテやら作業が集中。90年代後半の中小企業みたいな状態に。
    – ITが使える人は、自分の手を動かすのではなくて作業のマネジメントに回りましょう。また、本部役員はそういうITさんのITな役割を明文化して貢献度がわかるようにするべき。アプリ開発のプロマネと一緒です。
    – 議事録全文書き起こしとか、それ本当に必要なんです?決定事項だけ+出席者の承認回覧で良くね?
  • 会議、共有、伝言ゲーム
    – 伝言ゲームや言った言わない問題、ちゃぶ台返しにメチャクチャ稼働を取られますが、メチャクチャ無駄です。これらはITでやっつけよう。情報基盤が確立すると人間関係のしがらみも若干改善します。
  • ベルマーク問題
    – うーん、 この問題なぁ……
    – 1世代、個々人の訴えでは変わらないかもしれないけど、みんなで意見を合わせて声を上げていくしかない。
    – 子ども含めた共同作業にこそ意義があるんです!みたいな話にしても、もっといい制度や施策あると思うんだよね。。
    歯切れ悪くてすんません、書いといてなんですがパスで。
  • 父親参加
    – 男性参加はメチャ大事だと思います。スポーツ大会、行事の設営お手伝い枠に父親参加枠をしっかり作って参加を促しましょう。
    – おやじの会オススメ。単独イベントの設置にパパの仕事力を活かしましょう。みんながんばろう。

◆IT活用のこと

あんまりお仕事モードの話になっちゃうのも何だけど、上記の運営改善にはITをフル活用しようぜ、っていう話

  • ITで改善できるポイント
    – 議題の確認:事前にグループウェアやSNSで済ませておけば会議時間は1/3になるぞ。
    – 決定事項の共有、展開:電話と井戸端の伝言ゲームでAルートとBルートで言ってることが違う、コレ撲滅したい。ナレッジを電子化して「ここ見りゃOK」っていう状態を作ろう。
    – スケジュール管理: サイボウズのサイトとか参考になります。

以下はオススメツールに関する考察。

  • サイボウズLive
    無料グループウェア。色々試したけど、2016年5月現在の地域活動運営ツールとしてはこれがベストかと思われる。
    名簿、スケジューラ、掲示板、タスクリスト、1GBのファイルスペースにチャットツールまで揃っている。
    かゆいところに手が届かない部分もあるけど、逆に機能がシンプルで苦手な人でも使いやすい。何と言っても無料なので予算を考えなくて良い。むしろこれが無料ってのが隔世の感っていうか、あたまおかしいレベル。
    ※やり過ぎると嫌がられるけど、タスク管理もできる。難易度的に、Redmineは不可能、Backlogくらいは使えるといいなあ、とは思うがPTAなんかだとチケット駆動とか無理無理なのでやめましょう。嫌われます。
  • LINE
    グループウェアだけだと小回りが効かないので、普段の連絡はLINEのグループで。
    弱点は情報のアーカイブがされないことと、ガラケー者を中心にLINE八分が発生すること。決定事項の共有はサイボウズで。

その他評論。

  • Facebook/Google+
    使えれば便利だけど、皆が皆使っているという可能性は低い。Facebookページの運営ができる人がいるならページだけ使うのはありかもしれない。Google+も同じ。
  • WordPress
    俺のおやじの会のホームページではWPを使っている。外部公開系のサイトはこれがいちばん。
    ただ、WPくらいでも普通の主婦には相当難易度高いので最低でも使える人を3人くらいは確保できないならやめたほうがよい。
    ちなみに、小学校から公式サイトへCMSの導入に関する相談をされたことがあるが、区から提供された環境ではWP動かせるサーバ環境作れなかった。責任問題もあるので、あまりホイホイ手を出すのはやめましょう。

以下、参考まで半年くらいサイボウズ式の記事。
浦安でPTA会長をやっていたグロービスの川上さんという方のインタビュー。

PTAに公立校の平等論を持ち込むと良さは消える──「やりたい人がやるから文句言うな」を貫け | サイボウズ式

おお、あのスライドの人か。あるあるわかるの多い記事だ。

2015/12/10 14:28



ここまでできれば、すげーのですけどね。

まじめな話だけど、お父さんもなんかしら子どもの学校に関わることはやったほうがいいよ、と今は考えている。
その時期にしか獲得できない経験でもある。自分のためにも変なマネジメント研修に行くよか絶対いいと思うぞ。


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